ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
その時。
「え……拓巳……?」
奈央さんが、立ち上がるところだった。
ディスプレイ越しじゃない。
リアルな、奈央さん。
会いたくて、会いたくて、たまらなかった人。
「なんで? いつ、日本に……?」
視線が、からんで、すれ違う。
「ハァイ、ナオ! この前はステキな広告ありがとう。イケメンとデート中に、ごめんなさいねぇ、お邪魔しちゃって」
「ナディア……さん?」
奈央さんは、オレとナディアを交互に見つめて。
その瞳が、おびえたように揺らめいた。
こんな風に再会するつもりなんてなかったのに。
くそっ……最悪だ!
「誰? 奈央ちゃんの知り合い?」
男が、興味深そうにオレを見る。