なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
「そうでなくても、最近の長瀬は学校にもちゃんと来てるし、目立った悪さもしてないみたいだし?前に比べて取り巻く空気が柔らかくなったってみんな噂してるよ。咲希〜?まずいんじゃないの〜?」
「まずいって、何がよ」
「もたもたしてたら、長瀬誰かにとられちゃうかもよ?」
試すような瞳の茉莉にそう言われ、キョトン顔で目を瞬かせる。
長瀬が…誰かに?
一瞬、長瀬が山吹さんみたいな女の子に笑いかけている姿が脳裏を過ぎって、心臓がチクッと痛んだ。
いや。
いやいや、気のせいだ。
そもそもとられちゃうも何も、長瀬は私のものなんかじゃないし。
私は長瀬に付き纏われて困ってるんだもん。
その方がせいせいするってもんだ。
そうなれば、また平和な日々が戻ってくるわけだし。
長瀬が私じゃない誰かを好きになったとしたって平気。
うん。全然…平気。
「私には関係ないことだってば。それより次体育でしょ?さっさと準備して更衣室行くよ!」
荷物を持って先に行こうとすると、「ちょっと咲希!待ってよ!」と慌てて茉莉が後を追ってきた。