なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
「え…」
長瀬が……人気?
「あーあ。その顔は本気で知らないんだ?ここ最近の長瀬、告られ率はんぱないんだよ。今朝だって、登校早々女子達に囲まれちゃって身動き取れなくなってたんだから」
う、嘘でしょ!?
だって、今までは散々怖がられてたじゃない!
女子も男子も、長瀬に近付こうとする人なんて見たことないよ!?
私の顔色から言わんとしてることを悟ったのか、茉莉は机に肘をつき、やれやれといった顔で黒目をクルリと回した。
「クリスマスの前日、長瀬があんたを守ってバットで殴られたでしょ?アレを目撃してた一部の女子の目に、長瀬がどこぞの漫画のヒーローにでも映ったんだろうね。元々ルックスはそんじょそこらのモデルよりよっぽどいいし、しかも、体を張って女子を守る男らしさを兼ね備えてるとあっちゃあ、女子は黙っちゃいないでしょ」
どうやら、クリスマスの前日に長瀬が怪我をしたのは、私を守るため…ということになっているらしい。
違うんだけど。
あの日、長瀬は私じゃなく、ポインセチアの飾りを守ってくれたんだけど。
と否定したい気持ちはあれど、どちらにしろ“体を張って守ってくれる、ヒーロー長瀬”の印象は覆りそうにないからやめた。