なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。

「あー!それ、私も見た事あります!あれなかなか剥がれないですよね!」


「俺、この間踏んだ。あれ、踏んだ瞬間“あー…”って声漏れるよな」


校内にポイ捨てをするヤツもそうだけど、ガムを吐き捨てるとかどういう神経をしてるんだか。


もし現行犯で見つけたら、一発引っ叩いてやりたい。


お前は自分の部屋でもガムを吐くのか!って。



とにかく、これ以上金城くんみたいな被害者を出さない為にも、私達美化委員が何か行動を起こさなくては…。


ポスターでも作るかな…。


そんな事を考えていれば…––––。




「スカした顔してんじゃねーぞ長瀬っ!!」



ドスの効いた何者かの怒鳴り声が聞こえてきて、地面に落としていた顔を上げる。


校門の方からだろうか?


その辺りに生徒達が集まり出している。


「何でしょうね?喧嘩か何かでしょうか?」


山下さんも眉をしかめながら、金城くん越しに校門の方を確認している。


喧嘩とか…何でそんなに無駄な体力を使うんだろ?


平和に過ごせばいいものを。


そういった類のものには、関わらないのが一番。


「山下さん。作業を続けよう」


そう言ってまた球根に手を伸ばせば……。
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