下手くそな恋を泣きながら
太陽と影



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あれから1週間、私の中ではまだ何の気持ちの整理もつかないまま時間だけが過ぎていった。

でも幸か不幸か今日から1週間、有休消化の夏やすみ。

部長や皆はいつも通りしてる中で堂々と私は家でごろごろ。


そんな中で

ある一通のメールが届いた。


「彩葉ごめん。俺、教師辞めようと思う。俺は結局、お前の思うような″先生″ではなかった。

俺の教師生活はただの自己満足だった。」


そのメールを見た瞬間

嫌な予感がした。


先生が、どこかもう二度と会えないような遠くへ行ってしまうんじゃないかって。

何も考えずに先生に電話をかけた。

以前、様子がおかしかった。

それと何か関係してるんじゃないかと

ただ、それだけが頭の中に浮かんでいた。

耳元で鳴るコール音がやけに大きく聞こえて、不安を増長させる。


あのとき、どうして無理にでも先生の側にいなかった?

あのとき、私は自分のことばかり考えていた。

今さら、後悔でしかない。

一つひとつのコール音がやけに長く感じる。

電話にでてくれないのか・・・

携帯から耳を離そうとした瞬間

弱々しい声が聞こえてきた。



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