下手くそな恋を泣きながら


「これで今日の休日も、良い休日になっただろ?」

隣でドヤ顔の部長をちらりと見て、何度も頷いた。


「折角だから外に出ましょうよ。」

座席のシートを倒そうとしていた部長を誘い、車の外に出ると、より一層広がる天然のプラネタリウム。

「山の上のキャンプ場なんだ。夏休み前だし人もいなくて、堪能できるだろ?」

ゆっくり私を追いかけてくる部長を振り返り、もう一度私は何度も頷いた。


「部長は私にたくさんの初めてを経験させてくれますね。

本当、ありがとうございます!」

神秘的な景色がそうさせたのか

解放感あるこの場所がそうさせたのか。

二つの条件に二人きりという状況がそうさせたのか、ゆっくり私を追いかけてくる部長に駆けより、その手を繋いだ。

「星座、詳しいですか?」

「星を見るのは好きなんだが・・・あまり詳しくない」

星の明かり以外ない暗闇で、そう遠くまでいけないから

歩幅を合わせてゆっくりゆっくり散歩をしながら

ロマンチックすぎて、まるでデートのようだと思った。

今、私の胸を高鳴らせているのは

この景色なのか

繋いだ手のせいなのか最早、区別することもできなかった。

ただ



この景色を部長と一緒に見れてることが幸せだと感じた。

視線を星空から部長の横顔に移すと気付いた部長は優しく微笑んでくれる。


「森山と今、一緒にこの景色を視れて嬉しいよ」

「私も、同じこと考えてました。」


高鳴る鼓動は時に、気持ちに反発するときもあれば、やけに素直な気持ちにさえさせてくれる。



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