お見合いですか?
 「そんな風に言って、何か意味ある?」
「う~ん、まぁ、多少あせらせることは出来るんじゃない?・・でも、私の発言が原因じゃ無いとすると、何で悠斗さんは、いきなりあんな事言ったの?・・・まるで、結婚なんてしたく無いみたいな・・」

 そう言った彼女の表情はとても沈痛で、かける言葉が見つからない。
ただ、原因はもしかしてと思った。
「悠斗がおかしいのって、本社に行ってからだろ?ちょっと親父に確認してみるよ。」
そう言って、寝室にいる有希と交代した。

 親父との電話を終えて、ダイニングテーブルに戻る。息子と森高さんが朝食を食べていた。
俺が戻って来たことに気づいた有希が、朝食用のパンを持ってきた。
俺の前にパンを置いて、自分の分も持って来て、隣に座った。

 暫くの休戦といったところだろうか。
息子の世話を焼く森高さんは、とても楽しそうで、いいお母さんになるんじゃないかと思った。
有希と森高さんは、息子の話で盛り上がっている。俺は、親父に聞いた事を、何て彼女に話そうか、悩んでいた。

 朝食がすんで、有希が気を利かせたのか、息子を連れてリビングへ移った。

 「親父に聞いた話だと、悠斗に婚約したら、本社に戻って来いって言ったらしい。多分、、
部長ポストにつくんだと思う。」

「じゃあ、本社に行きたくないから、悩んでるってこと?」

「うーん、それも一理あると思うけどね。」

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