副社長と愛され同居はじめます
こうして話していると意外に親近感が湧く性格をしているのじゃないかと思うけど、やはり脳裏にちらつくのは昼間の近寄ることも出来ない世界の違い。
壁の高さ。


客とキャバ嬢として出会うこの時間だけ、彼が私のいる世界まで降りて来てくれている。
そう思えば、やはりこの先にあるものはとても限られているように感じた。



「ふ、ぅ……」



車の中で熱い吐息を混じり合わせ、また深く重なる唇。


先日お買い上げいただいたこの唇に拒否権はなく、あれ以降会うたびに濃厚なキスはお約束。



「ま、待って。話が」

「何。キスの合間に話せ」



無茶言うな。
一体どこにそんな隙間があるというんだ。


声を出そうと口を開けば、ぴったりと合わせられ深く舌が入り込む。
首の後ろを抱き寄せられて、上向かされたまま逃げようにも逃げられない。


たっぷりと堪能された後、漸く少し満足したのか唇が離れ舌が私の上唇を舐める。
それを顔を背けて避けながら、やっと口にした。



「もう、限界だと思うんですっ……」


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