副社長と愛され同居はじめます
それでやっと、キスが止まった。
それでもまだ唇同士が近くて、息苦しさに深呼吸するのもままならない。



「何が、限界?」

「ぜ、全部です。私の慢性寝不足も成瀬さんの目の下のクマも増える一方ですし、」

「それは我慢比べだから仕方ないだろう」

「いつから?!」



いつからそんな話になってた?!
どっちかが倒れるまでやるっていう話だったの、このゲーム?


話している間にも、彼は吐息で辿るように私の頬や額すれすれに唇を寄せる。
私は落ち着いて話すこともできなくて、彼の額に手を当てて少し強引に引き剥がした。



「それだけじゃなく! お店の雰囲気も限界なんです、女の子たちの雰囲気も悪くなる一方で、迷惑かけてるんです!」



そこまで言って、ようやく成瀬さんの動きが止まった。



「……あの嫌がらせか」

「私が我慢できる程度ならいいんです、でも今日みたいにドレスに煙草の火をつけられたり、私がいない時に悪戯でされたりしたら火事にもなりかねないし」

「そこは小春の責任じゃないだろう」



すぱん、と言い切られた。
確かに、悪いのは嫌がらせする彼女たちで、私だって自分に責任があると思うほどお人よしじゃないけれど。


彼女たちの神経を逆撫でしてるのは間違いなく私なのだし。


ぐ、と言葉に詰まったものの、不服を押し出した表情をしていたんだろう。
成瀬さんが、「まあ、小春がそういうなら」と、一瞬だけ考えるような仕草をして。



「なら、店ごと買い取るか」

「やめてあげて!」



とんでもないことを口にした。
冗談で流せないところが怖い!



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