副社長と愛され同居はじめます
「小春は何を言いたいのかわからん。あの店、買い取って内装から全部新装して、スタッフ総入れ替えしてもいいな。ちょうど飲食店の経営もやってみたいと思ってたとこだった」

「ちょ、怖いですってそこまで具体的に考えないで! 店長とかママが成瀬さんに敵うわけないじゃないですか!」



ちょっと経験値積んでみようか、的なノリだけでお店一個買うとか言うの止めて欲しい。



「私がお願いしたいことは、そういうことじゃなくて……」

「じゃあ、何だ」

「……成瀬さんは、このゲームが終わったら私をどうするつもりなんですか」



そう尋ねると、彼は意味が解らないとでも言いたげに、眉を顰める。



「さっき言ってたみたいな、根競べ? なら私が音を上げるか成瀬さんが疲労で倒れるか、でしょうか。その後は私は愛人か何かですか、それともそこでぽいっと捨てられるのでしょうか?」



言えば言うほど、ますます彼の眉間の皺は深くなる一方だ。
だけど私は勢いづいて、一息に言ってしまえと畳みかけた。



「私、最初に言った通りずっと夜のお仕事を続けるつもりはないんです。弟が無事に大学を卒業するまで見守れたらそれでいい。そしたら、私だって自分の結婚相手を見つけてちゃんとした家庭を築きたいって思ってます。誰かの愛人になりたいとは思ってないんです。だから、こんな風に通い詰められても正直困ります」


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