喜怒哀楽が、全てのものが帰ってきたら・・・
「おはよう。」誰もいない地下室に声が響いている

もうこれは癖になってしまっている。毎朝、毎朝誰もいない地下室に向かって「おはよう。」
そして少ししたら私はその子供に向かって「おはよう。」と返す。

子供と言っているけどそれは私自身の事。紛らわしいかも知れない。自分で言って自分で返す、初めは少し寂しかった気がする。でも今は当たり前。
なぜこんなことを続けているのかは忘れてしまった。でもこんな生活になってからは毎日続けている。

今の時間はわからないけれどもうすぐお母さんがくる。「おい、明日から一週間旅行にいくからな。」きっと妹とだろう「分かりました。」

「はー、ストレス発散をどうしようか。」そう言ってお母さんは私を殴る。私、水川りの というストレス発散道具がなくなるからいつもより強く殴られている気がする。

「・・・本当あんたって子は気持ち悪い。」私は殴られながら・・・・・・笑っていた。

私は初めはいたくて泣いていた。でも五月蝿いと言われた。
やめてと言った。口答えするなと怒られたので言わない。

最終的に残ったのは「笑い」だった。「気持ち悪いからいい加減笑うな‼」・・・でも怒られてしまった、だからもう笑うことは無くそう。

何故だろう、いつもはでないはずの涙が溢れてくる。これは・・・ああ、そっか。もう私にはこれしか残ってないんだ。他の感情を使って抑えることはもうできないんだ。お母さんに殴られ、妹に姉としてみられず、要らない存在にされて『哀しい』と思う事しか出来ないんだ。

ずっとお母さんの言うことを聞いてきた。なぜこんなことをするのかと怒ったら逆に怒られた。それから言うことを聞いて怒らないでいた。わめかないでいた。守っていた。

けど・・・
< 2 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop