苦手だけど、好きにならずにいられない!
「すごい柄ですね…そんなのどこで買ったんですか?」
「いいだろ?ホテルオリジナルアロハだと。ホテル売店で絶賛発売中なのを早速買ったさ、きらりーん!」
先輩はニッコリスマイルでふざけてポーズをとったあと、
「ハッ、俺は何をしてるんだ…」
と急に別人みたいな真顔になる。
先輩の得意な一人芝居。
職場でもよくやってて、慣れっこだからウケもしないし、驚きもしない。
一言で言えば、間が悪い。つっこみどころが不明。
「それはさておき、俺たちの次の便の飛行機に乗ってたプロモビデオの撮影隊が到着したって。直ちにロビー集合!」
ロビーには大きな機材を持った男が二人立っていた。
ぽっちゃり体型ヒゲ面と痩せ型で目のちっこい男。彼らのそばには、若い女の子がソファに腰掛けている。
やたら細っこい操り人形みたいなその子をどこかで見かけた…と思ったら。
「あっ!莉子さーん!
こっちでえす!お久しぶりです!
ビッキーはあ、元気でしたよお!髪カッティングしたんでーす。15センチも!」
「あ!ビッキー。あなたがモデルだったの。よろしくね」
笑顔がつい引きつってしまう。
誰が頼んだんだよ…ワールド・リゾート・フェアでは散々だったのに。