祐也と私と一平先輩
俺は動揺しているのか?
祐也はゆっくりと息を吐き出した。


この人はどうもやりにくい。


常に冷静で慌てることがない。


話術も巧みで相手を自分のペースに引き込む。


そのくせいつも笑顔だ。


この笑顔がクセモノなんだ。


うっかりすると、安心して先輩に心を開きそうになる。



そうならないようにって....今この瞬間も自分に言い聞かせている。



だからこその緊張感。


....はは、緊張してる時点で俺はすでにこの人に負けている。

祐也はもう一度息を吐き出した。


< 176 / 346 >

この作品をシェア

pagetop