祐也と私と一平先輩
「綾乃のどこが好きかだって?
それを聞いてどうする?」

静かだが、低く重い口調だった。


そして鋭く、
祐也が今まで見たこともない、相手の心に刃物を突きさすような眼光を向けてきた。




....この人こんな表情するのか?!

祐也は面食らって、答えに窮してしまった。



そんな祐也を見て、一平はいつもの穏やかな表情に戻ると、


「そーだなぁ....バカなとこ。
かな?」


さっきとは一転して穏やかな口調で答えた。


「えっ?先輩がそれ言っちゃいます?」


意外な答えに祐也は戸惑う。



「違うよ小坂。お前がいっつも綾乃に言ってるんだろ?
バカってさ」


ヤバい...焦る祐也。


「綾乃が怒ってたぞ」


「そう....ですか」



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