祐也と私と一平先輩
「お前は綾乃のどこが好きなんだ小坂?」



しまった。
祐也は内心舌打ちした。


会話をうまくすり替えられてしまった。


自分が聞いておいて、逆に答えるはめになってしまった。



ちっ!さっきから先輩のペースじゃないか。





一平の口元には相変わらず笑みがたたえられている。



祐也はイライラした様子で頭をかくと、


「.....俺は....その、
まさにバカなとこ....ですかね」



絞りだすように答えると、言葉を続けた。


「頭が悪いって意味じゃないんですよ。
ドジで要領悪いけど」


祐也は空を見上げた。

くそっ、なんてまぶしいんだ。


< 180 / 346 >

この作品をシェア

pagetop