祐也と私と一平先輩
祐也は記憶を探るように話を続けた。


「少し前にクラスの女子同士でイザコザがあったんですよ。

一人の女子を複数の女子が一方的に責めてた。


結局責めてたやつらの誤解だったんですけど、話しも聞かずに一方的に責めたてていたから、そいつ泣き出しちゃって。

綾乃と玲奈が仲裁に入ってなんとか事態は丸く収まったけど。

普通はそれで終わりじゃないですか?


なのに、あいつはそれからしばらく心配してるんですよ。


傷つけられた相手に共鳴しすぎて、まるで綾乃も傷つけられたように一緒に落ち込む。


あげく、そいつが休み時間友達と話してるか?お弁当は楽しそうに食べてるか?
元気を取り戻したか?

そこまで気にしてるんです。


そんなことがしょっちゅうですよ。


バカですよ、まったく。


あいつは他人を心配しすぎて、自分の心を疲労させてるんですよ。


大バカやろうです」



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