祐也と私と一平先輩
「話しがそれたけど.....」


小坂くんは真面目な顔で「コホン」と咳払いをすると、私に向きなおり静かに話し始めた。


「一平さんと俺は対象的なんだ」


うん、何となくだけどそれは私にもわかる。


「一平さんはお前をありのまま受け入れようとしてる。
確かにお前が苦しんでるときに手を差し伸べてくれるだろうけど、お前を変えようとは思っていない。

俺は今のお前が変わって欲しいと思ってる。だから怒ったりもしたし、あれこれ言ってきた。

つまり、一平さんか俺か選ぶということは、お前の性格の根幹にも影響するってことなんだよ。

......ここまで分かるか?」


「う、うん」


二人のどちらかとつきあうってそんなに大袈裟なことなの?


「男もそうだけど、相手に影響されることって結構あるし」
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