姫、私は誓います。
「どうした、ランバートなら寝ているぞ?」

「寒気がする」

「寒気?大丈夫か?」

秋の初めだが、決してそこまで寒いわけではない。でも寒気がするという彼女の横に俺は座ってみた。確かランバートが俺にこの話を持ち掛けてきた時に似たような事を魂と喋っていた気がするな。魂が、彼女が寒いと言っていると知らせに来た時、ランバートは彼女が危ないと言って急いで戻ったんだっけ。

「寒い」

「ちょっと待ってろ」

寝る前にランバートが言っていたヤバい事と何か関係があるのかもしれない。そうであったら困ると思った俺は、ランバートを起こそうと立ち上がった。が、彼女は俺の袖を掴むと涙目でこう言ってきたんだ。
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