姫、私は誓います。

再生したレイア姫の一人が粉々になって消えた。きっと、湖の外にいる皆には小さな地鳴りとして伝わっただろう。昔助けようとしていた相手を手に掛けるというのは不思議なものだ。やりきれない。無力な涙が溢れてくる。止まってくれなんて言わないけれど、せめて皆には見られないように流れてほしいな。見かけによらず、みんな心配性だから。

「クラウド！」

そう言ってラークは飛び込んできた。まだ泣いているんだから、もう少し後で良いのにと思ったけれど息が続かない。こんな顔を見られるなんて飛んだ生き恥だとも思ったが、やっぱり自分の事を思ってくれる人がいると思うと嬉しい気持ちになるものなんだね。何となくだけど新しい生き方を見付けたような気がした。
陸に上げられると、息が出来た。当然の事だと思うかもしれない。けれど、これが生きているって実感できる瞬間なのかもしれない。もう、息が出来なくて苦しいなんて事はない。