姫、私は誓います。
もし言い切れるのであれば、俺はランバートの期待に応えなくてはいけない。あわよくばとは言っていたが、そんなに手の込んだ事ができる人物であるのなら俺の気持ちにだって気付いていただろう。俺は3人が帰ってくる前に君へのこの複雑な気持ちと向き合わなければならない。気持ちをはっきりさせて、ランバートの気遣いを無駄にする訳には行かない。

「無理。それはランバート本人じゃないと分かんないよ」

そんな事は分かっている。でも、迷っているこのもやもやした気持ちと向き合うための後押しが欲しいんだ。1歩踏み出すために背中を押してくれるきっかけが欲しかったんだ。それが嘘でもたぶんでも何でも良いからそうなんだという一言で前に進める気がしたんだ。

「ここの近くにランバートの知り合いの神父様がいてね。取り敢えずそこへ行って皆の帰りを待たない?」

この森を出る前に1歩前に進みたかった。
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