姫、私は誓います。
「レイア姫はどこにいらっしゃいますでしょうか。レイア姫に仕える兵士ゆえお顔を拝見させて頂きたいのです」

「あーあ、その人たちもあの子かぁ」

「あいつなら兄の部屋から出てこん。行きたきゃ勝手に行け」

「恐れ入ります。失礼致します」

兄。妹夫婦から見れば姫の父は兄に値する。つまり姫は父の部屋にいるというわけだが、きっと姫は父の部屋ではなくその奥にある書斎にいるのだろう。父の書斎は二人の思い出の場所だから。
応接間を後にした俺たちは急いで彼女の下へ向かった。彼女の心が壊れてしまうのではないかと心配で仕方がなかったんだ。しかし、亡き国王の部屋に着いても彼女はいなかった。というよりは鍵を掛けられていて中に入る事が出来ず、ノックをしても書斎にいるであろう彼女まで届かなかったんだ。不安で仕方がない気持ちを抑えながら返事を待った。
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