姫、私は誓います。
「姫!只今戻りました!ラークペイ、ジンルーク、ケイロビン、ロンマニー、ランバート、クラウド全員無事です!」

一か八か。俺は城を出た者が誰一人として命を落とす事なく帰還したと大声で叫んだ。ひょっとしたら兵士として、一人の友人として俺を信頼してくれている彼女に届くかもしれない。そんな淡い期待があった。でも、期待に胸膨らませているだけではない。

「姫!あなたは無事ですか!あなたの心はまだ壊れてはおりませんか!我々はもう一度あなたに仕えるために戻って参りました!」

人気のない城の廊下から残響だけが返事をくれた。無駄な事だとわかっていても、届くかもしれないと思うのが人間って生き物だと俺は思う。
姫、俺はあなただけを愛そう。初めて会った時、あなたに俺の人生を全て捧げよう、この恋が叶わなくともずっと隣にいようと決めた。その思いは今も変わらない。
< 3 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop