姫、私は誓います。
ただあの3人に信頼されている理由を知れた気がする。彼のこういう所に3人は惹かれ、仲良くなったんだ。臨機応変に動いているように見えて、実は自分の感情のままに、臆病なままに動いている彼の人柄に惹かれたんだと思う。

「変な人」

「かもな」

受け入れなくて良いのに納得してしまうジンルークさんをまた笑った。別にバカにして笑った訳じゃない。ただ、嬉しくて笑ってしまったんだ。こんな人があの人以外にいると思っていなかったから。私を愛してくれる人が他にもいるなんて知らなかったから。

「少し散歩しないか?」

そう言って私を抱いたまま立ち上がると人目も気にせず歩き出した。彼には見えていないにしろ、霊体がうようよしているこの教会の中をこのまま通るのは恥ずかしい。
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