姫、私は誓います。
傷付くくらいなら言葉なんていらない。私はそういう人。誰かを傷付けてしまう言葉なんていらない。でも、そんな言葉をかけてしまう自分が情けない。大切な人を傷つけた時は消えてしまいたくなる。それでも生きてきたのは大切な人の笑顔をまた見たいからなのかもしれないと最近は思うようになった。

「教えてよ、レイアさんと一緒にいた時の事」

思い出に浸りたかった。昔に戻って今の現状から目を背けたかった。今だけで良いから会えなくなってしまうかもしれないという不安から解放されたかった。ジンルークさんは私を浜辺に降ろすと歩きながら話してくれた

「俺はレイアさんと会うまでは最低な奴だったんだ。どんな事でも人のせいにして、自分以外の人なんていなければ良いって思っていた」

それは何となく想像できた。
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