姫、私は誓います。

「早く思い出したい？」

この子、どうして俺の思っている事が分かったんだ。2度目の偶然か、それとも俺が顔に出やすいだけなのかは分からない。ただ、俺の状況を確りと捉えているはずなのにどこを見ているのか分からないこの子が少し不気味に思えてならなかった。この子はどこを見つめて何を考えているのだろう。

「なら、焦らない事ね。迷惑をかけるだの面倒事を増やすだの考えている暇があったら思い出す事に専念しなよ」

どうしてそんな事まで分かっているんだ。彼女は俺がどうしてこうなったのか、経緯を知っているとでも言うのだろうか。もしそうであるならそんなアドバイスではなく本当の事を言って信じ込ませて欲しいものだ。俺は解決策が欲しいんじゃない。解決したいんだ。

「お前、何か知っているのか？・・・俺がこうなった理由を知っているのか？」