姫、私は誓います。
ただ、皆がレイアさんに集められる事がなければこんなにたくさんの大切な人を亡くさずに済んだのかもと思ってしまうのです。私が仲間という、自分の居場所という心地好い場所を見つける喜びと失う悲しみを味わう事はなかったのにと時々、レイアさんを責めたくなります。
誰が悪いわけではない。何が知りたい訳ではない。ただ、未来を変えられてしまった仲間の人生を返してほしいんです。普通の幸せさえ受け取る事が出来なかった私たちの人生を出来るのなら返してほしいんですよ。

「知るか!帰れ!」

「ふざけんな!酒くらい飲ませろ!」

二人がこんな苦労をしなくても済む未来を見たかったんですよ。他の誰がではなく、私が見てみたかったんです。仲間が幸せそうに寿命を終えていく姿を一人だけで良いからこの目で見たかったんです。じゃないと、自分と過ごした日々まで不幸の一部になってしまって嫌なんですよ。
< 235 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop