姫、私は誓います。
レイアさんの死刑執行が良い例だ。本当ならレイアさんを王族に差し出して、ランバートたちと一緒に牢に入るだけで充分だったはずだ。でもラークはそれを選ばずにレイアさんの死刑執行をより確実な物とするため、自分が匿ったと言い張った。そして、一緒に死刑にされる道を選んだ。
俺たちをここまで巻き込ませたのは自分だと勝手に思い込んで、負わなくて良い刑を受けようとしたんだ。正体を知らなかったとはいえ、こんな事になるまでレイアさんを放っておいた自分に責任があるとずっと感じていたんだろう。やっと罪滅しが出来ると喜んだのかもしれないな。
俺たちの元隊長として、恋い焦がれた人としてこのままレイアさん一人を死刑にしたくはなかったというのもあるのだろう。そうしなければ、俺が責任を感じてしまう事を知っていたから。俺が匿っていたと言って俺が死刑囚として執行を受けると知っていたから。長年の勘というか、直感というか。絆なんて物からは来ていないだろうけれど、俺が全ての責任を負おうとする事をラークは知っていた。だから、俺の代わりに死刑囚になったんだ。
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