姫、私は誓います。
俺は、ラークの恋心も自分の恋心も知った上でラークの恋を応援していた。その応援していた恋の相手が死刑囚になるほど残酷な人生であったという事実。その事実があれば俺はラークの恋を応援したという責任に押し潰され、2度と恋をせず生涯を終えただろう。だから、ラークは死刑囚として身をなげうつ事で俺のせいではないと教えようとしたんだ。俺のせいでラークが辛い思いをしてきたわけではない、俺が応援したから死別という辛い最後を送らざるを得なくなった訳では無いのだと知らせようとしてくれたんだ。

「わしはまだ死なーん。絶対最初には死なーん」

「えぇっ?我が儘ですね、ラーク。私たち、まだまだ死にませんよ?」

俺だってラークの責任が全て負い終わるまで死にたく無い。絶対に死ぬものか。最後までラークが残れば確かに安心して死ねる事だろう。でも、欲張ってしまうのもまた人間だろう。
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