姫、私は誓います。

「レンはさ、どうしてあの道に進んだと思う？」

レンは家を出て職に着いた。俺たちと同じ、城で仕える兵士として歩いていく道を選んだ。それが俺たちの出来なかった誰も早死にさせない世界を造るためなのか、ただの憧れからなのかまでは分からない。もしかしたらただ条件が良かったからとか、そこしか良い職場がなかっただけかもしれない。
ただウィルが願った通り、レンは俺の背中を追ってくれているんだと思う。俺たちの出来なかった事を成し遂げてくれると願う。いや、そう思いたいのかもしれない。身勝手だと分かっていながらも、願いたいのかもしれない。父親らしい事なんて一つも出来ていないから、せめてそう思っていてくれたらと勝手な都合を押し付けているのかもしれない。
正直、俺のためじゃなくたっていいんだ。同じ職に就いてくれた。ただそれだけ嬉しいんだ。俺のためじゃなくていい。理由なんて何でも良いんだ。ただ、これだけは約束しろよ。