姫、私は誓います。
「悪いじゃ済まされねぇぞ」

今までにないほど鋭い瞳で睨みを利かすジンさん。兵士の仕事は命に代えても主を守る事。嫌われる事を怖がり守れないか、嫌われる事を覚悟して守りきるか。ジンさんはいつも後者を選ぶよう教えているけれど、隊長はいつも迷っている内に両者共出来ない。

「・・・」

隊長は口をつぐむしかないようだった。ただ今姫が起きていたとしたら隊長が喋らずにいる理由を割ってでも教えてくれたのだろう。

「ラーク・・・」

姫の流れた涙を拾えるのは誰なのだろう。ただ私はこれ以上姫の傷付く姿を見ているのはごめんだった。傷付ける者は誰であろうと許したくはなかった。

「ジンさん、もうやめてください」
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