姫、私は誓います。
私が姫の毒を少しでも多く吸い出す事が出来たら、後はクウやランの白魔法の力を信じるしかない。クウやランの力と姫の生命力を信じて、ジンさんと隊長が持って帰ってくるであろう毒消しの力に頼る。
その間、私は吸血鬼に備わる自分の回復力を信じて生きようとしなければならない。白魔法では焼けてしまい、毒消しでは溶けてしまうこの体の自己再生。この力を信じて痛みに耐える日が続くだろう。姫さえ生きてくれれば良いけれど、出来ればもう少し一緒に生きていたい。姫と一緒に生きていたい。
毒が牙を伝い、体内へ入っていく。激しい痛みと共に来るのは何万ボルトもあるような痺れと麻痺。体の全てが毒に犯されていく事を実感できた。
姫、私と出会えてあなたは幸せでしたか。あなたは私を初めて受け入れてくれた大切な友達だった。落ち込んだら励まして、楽しい時は二人で笑い合って過ごしてきた。そんなあなたに、優しくて居心地の良いあなたに私は次第に恋愛感情を持つようになったけれど、この事は一生話せないと思う。
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