姫、私は誓います。
私は幸せだった。あなたは私を嫌っていたかもしれない。もしかしたらもう顔も見たくなかったかもしれない。それでも私はあなたを愛している。愛してしまった。あなたが余りにも楽しそうに笑うから、吸い込まれてしまったんだ。
私の体にはもう毒が回って来ている。この痛みと痺れは、私の回復力では取る事は出来ないと思う。もうあなたと話せなくなるというのに、あなたと生きれなくなるのに不思議と苦しくないよ。
もう少し一緒に生きていたかったけど、私は毒に負けてしまうだろう。それでも嬉しかった。私の意識が薄れて行くのと引き換えに、姫の体が温かくなっていっていたから。もう一度一緒に笑い合って、一緒に皆に悪戯して遊びたかったけれどそれももう無理なんだね。
自分の心臓が動かなくなっていく事がはっきりと分かる。でも、姫が回復していっている事も何となく分かった。私はもうそれで良い。あなたのためにこの心臓が止まるのならば、私はそれで構わない。ただちゃんと目を見てありがとうと言えていない事だけが心残りかな。ごめんね、レイア姫。
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