姫、私は誓います。
「・・・そうだな。そこだけは頑固だから絶対に動かない。・・・俺たちの時もそうだった」

「ただの腹痛でも離れないもんな」

「ですね」

病気に掛かった者にとって、一緒にいる安心感と安らぎは一番の薬だ。ありったけの知識を出しあって私の風邪を治そうとしてくれた。その姿が思いを寄せる姫だからこそ微笑ましくて、嬉しくて。そのおかげで早く治ったのだろう。あなたの一つ一つが眩しくて疑問など消えてしまったのだろう。ただ一つ言うのであれば、その行動が私以外の人にも向けられているという事に少し妬けてしまうという所だろうか。
恋をした時の自分だけの者にしたいという欲望。正直、私は一番敵に回したくないかもしれない。

「・・・信頼されてる証拠なのでしょうか・・・。こうも家族のように接して頂けているのは」
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