僕と彼女のヒミツ☆★
僕と天川さん
「ハァー。どうして僕がこんなことを……。」

そうため息をつきながら、僕は、早速、朝早くに起きて、ユズル兄のお弁当作りをしたのだった。

「はい、ユズル兄。お弁当。」

「ヒカル、ありがとう。」

二人っきりの時は、『サンキュー』って、そう言うくせに。

でも、今は、母さんが目の前にいるから、猫かぶってるユズル兄。

「2人とも、行ってらっしゃい。」

母さんが、笑顔で手を振り、送り出してくれた。

「ユズル兄。ちょっと僕、先に行くね。逞と周平と待ち合わせしてるから。」

「ふうん。そんなこと言って、例の天川希美に会いに行くんだろう?」

えっ?

「ど…ど…どうして、ユズル兄が、そんな事知ってるの?」

「お前見てたら分かるよ。単純だからな。」

どうせ、僕は、単純だよ。

心の中で、そう思っていても、口には出さない。

「まぁ、先に行けばいいんじゃないか。」

ユズル兄が、そう言ってくれたので、僕は、お言葉に甘えて、足早に、天川さんの元へ向かったのだった。




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