街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
それからみんなでワイワイ、またタコライスを食ったけど
どの店で食ったものよりも
ここで食べたタコライスが、一番うまかった。
なにそり、智樹のくだらねー話に
「ちょ、待ってお腹いたい…あははは」
心優が腹を抱えて笑っている。
喋ることもしなかった心優が
あんなに上品で可憐だった心優が、
今は智樹と声を出して笑ってる。
たったそれだけで
「あー、まじでもうむり」
俺も、本気で疲れるくらい笑い倒した。
「わ、私ももう無理…あはは」
こんなに笑ったの、いつぶりだろってくらいに。
「あ、てかもう時間やばくね?」
「え?
……あー、そうだね。そろそろ向かわないと間に合わないね。」
「えー、もうそんな時間?
まだ怖い話あったのに~」
「お前の話のどこが怖いんだよ!」
もはや、笑いすぎて青木も心優もすっかり涙目だし、俺ももう腹がいたい。笑い疲れた。
これ以上疲れるのは辛いわ。
「じゃあこれ片付けて俺らの部屋集合な。」
「え?うん、わかった。」
つーことで、洗い物を4人で済ませて
心優と青木もつれて、俺らの部屋へと集まった。
「なに?大翔」
「ここ。これ見てみろよ。」
そう、俺らの部屋には
過去にここに泊まりにきた、修学旅行生からのメッセージがびっしり書き込まれたテーブルがあった。
「俺たちも書いていかねー?」
「あ、いいね。」
「智樹、ペン。」
「はいよ。
って!俺は大翔のパシりじゃねぇ!!」
なんか喋ってるけど俺はお構いなしに日付と高校名を書いた。
「誰から書く?」
「そのまま大翔からでいいよ。」
と心優が言うから、俺は
『無駄に働かせやがって。
次来たときは俺が殴ってやる。くそ親父』
とでかでかと書いてやった。
「ちょ、なんてこと書いてんの。」
「手のかかるやつほど可愛いってもんだろ?
ほらよ、智樹。」