街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
「━━よし、復活。
戻るか。」
心優の腕をほどき、立ち上がって海を見て、思いっきり伸びをした。
「あ、なんかちょっとかっこよくなったよ。」
「ちょっとかよ!
まぁいいわ。行こ。」
「うん。」
なんか、心優でよかった。
心優がいてくれてよかった。
智樹じゃ、こんなに素直に話したり泣いたりもできないしな。
すっきりしたわ。
「お腹すいたね~」
「本当だわ。
俺なんかずーっと畑仕事だからな!」
「あはは、一人でお疲れさまでした。」
「ほんっとだよ。あのくそ親父」
「おい、大翔
それは誰のことだ?」
「いっ、てー!
なにすんだよ!」
「くそ親父って誰のことだ?」
「テメーに決まってんだろ!」
「よし、次はハンマーで殴ってやる」
「殺す気か!!」
そんな俺とくそ親父のやりとりを
「あはは、でも大翔は死ななそう」
心優は声を出して笑っていた。
楽しそうに、笑っていた。