街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
━━その後、店によってヘッドハンティング失敗報告をして、ついでに怒られて
そのまま二次会へと向かった。
「大翔おっそ!」
「仕事だから仕方ねぇだろ。
つーか俺の席どこ」
「こっちこっち~」
とりあえず中学のやつらで固まったところに向かってみたけど
俺の席はどうやら高校側で、なんならもうそこしか空いていなかった。
「疲れたー。とりあえずビール頼んどいて」
「なんで主役の俺に頼むんだよ!アホかお前は!!」
あ、そうだった。
智樹は今日主役なんだった。
いつもの癖でつい……
「はは、ビールね。」
なんて店員を呼ぼうと顔をあげれば、空席だったはずの右側には
「すみません、ビール追加でお願いします。」
「え…、心優なんで」
どこまでも気が利く心優が座っていた。
「なんでって呼ばれたから?
他に理由なんてないでしょ。」
・・・呼ばれたから?
つーことはこいつ…
「はは、どうだ大翔!驚いたろ!!」
「…お前は心優の連絡先、知ってたってわけな。」
俺には一方的な手紙しか来たことなかったっつーのに、こいつは連絡取り合ってたのかよ。
「んー、っていうか三ヶ月くらい前に会ったんだよ。偶然、うちの近所で。」
「は?」
三ヶ月前?
え、じゃあ心優ってそんな前からいたのかよ…
……なら、俺んとこ寄ってくれりゃいいのに。
俺はたまに届いてた心優の手紙のためにずっと引っ越さなかったのに。
「なんだよー、久々の再会だろー?
もっと喜べよ!本当にお前は感情がねーな!」
「無理もないよ。
さっき、仕事で会っちゃったから。
ね、大翔。」
「そ。再会ならもう果たしてるからこんなもんなんだよ。」
「ちぇ、なんだよ。
それを楽しみに、わざわざ秘密にしといたのによ~」
秘密にしねーでさっさと話せよ、くそ。
三ヶ月も秘密にしてんじゃねーよ。