街が赤く染まる頃。ー雨 後 晴ー
「……なんだよ、似合ってねーよ」
心優の言葉を理解するのに時間がかかって
でも、その言葉を理解すると俺の意思とは全く関係なく顔が熱くなっていって、自分でも顔が赤くなってんだろうなってわかっちゃうくらいだから
……思わず、しゃがんで顔を隠した。
きっとずっと俺のことを忘れないでいてくれて
なにかある度に俺を思い出してくれていて
……たぶんきっと、俺を想ってくれてたんだな
なんて、俺を自惚れさせる。
自惚れだったらタダじゃおかねぇ。
心優の言葉を聞いて
心優の本音を知って
早く、早く心優に会いたくて
足早に電車に乗って帰宅し、早々に眠りについた。
一度も口にしてこなかった俺の本音。
そんな本音を、心優にぶつけたくて。