時の歌姫
ふう。

あっちがあんな態度なら仕方ないよね。


急にガランとした店の中。
しばらくはお客さんも来なそうだし、ゆっくり片付けるか。


気を取り直してテーブルに近づいて。

「あ、あいつ!」


テーブルの端に堂々とアディダスのパープルの財布があった。


これ忘れ物だよね?


英二さんは財布を使ってなかったはずだし。

あいつが忘れて行ったんだ。
< 52 / 72 >

この作品をシェア

pagetop