時の歌姫
何なんだよ、もう!


ため息つきながらも。

あんなに早足で歩いてたのに追い付くだろうか、とか。


あの様子じゃすぐに気づかないだろうから、困るだろうな、とか。


色々ぐるぐる考えているうちに。

ええい! 行った方が早い!

「店長! 忘れ物届けてきます!」


気づくと店を出て走り出していた。


とりあえず、あいつが歩いて行った方向に。
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