甘いあまいイチゴの香り
「そうだよ。昨日作って持ってきたんだ。
さくらにケーキを作る約束だったろ?
それ、菫も好きだから帰りに持って帰って。」
あぁそっか。菫ちゃんもイチゴのタルトが大好きだから。
だからイチゴのタルトを作ってくれたんだ。
菫ちゃんが大好きなものだから。。。
「お、さくらじゃん。久しぶりだな。
久しく見ない間にまた可愛くなったなーー!」
どこかに出掛けていた一馬くんがリビングに入ってくると、ケーキを食べていた私のフォークからイチゴのタルトを食べた。
「ちょっと、一馬くん!!私のケーキ!!!」
頬っぺたを膨らまして怒る私に、一馬くんはケラケラと笑って、雑に頭を撫でるとごちそうさまとリビングを出ていった。
もう、せっかくの冬馬くんのタルトなのに。。。
ふふっ、、、
隣で笑う声が聞こえて、そちらを見ると
暖かい瞳の冬馬くんがいて、
ドキンっと胸が高鳴った。
「さくら、たくさんあるから大丈夫だよ。
あとで一馬に俺から怒っておくから、さくらは怒らないの。可愛い顔が台無しだよ?」
そんな甘い言葉、小学生の私には刺激が強すぎる。。。
でもやっぱり大好きな冬馬くんの優しい笑顔がたまらなく好きで、
菫ちゃんのものだと分かっていながらも、
この気持ちは捨てきれそうになかった。