甘いあまいイチゴの香り


久しぶりの同期会は思った以上に盛り上がり、
普段フロアーが違って中々会えない子たちとも仕事の愚痴や恋愛話に話が尽きず、
それに合わせてお酒も進んでいく。

みんながいい感じにほろ酔いのころ、
今日の主催者の宮園くんがみんなの注目を集めながら立ち上がった。


「今日はみんなに報告したいことがあって。

私ごとなんだけど、来月 受付の佐渡さんと入籍することになりました!!!
披露宴は身内だけでするんだけど、二次会には会社の人たちも呼ぶことになってるから、是非みんなにも来てほしい。」

急な報告に、みんなから驚きの声や祝福の声、歓声があが。、少し恥ずかしそうに、でも幸せそうな笑顔でその声に答える宮園くんが答えている。


「宮園、すごいじゃん!あの社内1の美人で有名な佐渡さんと結婚だなんて。いつから付き合ってたんだろ。全然気がつかなかったなー。」

恵里菜がビールを煽りながら、羨ましげに宮園くんを見つめる。

「あぁ、宮園と佐渡さんって幼馴染みなんだよ。付き合いだしたのは入社してからみたいだけど、あいつはずっと佐渡さんが好きだったみたいだな。」

恵里菜とは反対の私の隣に座る苑田くんの声に恵里菜が食いついた。

「幼馴染みなの?!まぁ、宮園もイケメンに分類されるしねー。お似合いだよね。結婚かぁー。羨ましいな。
私たち女子はそろそろ考えちゃう年だけどさ、男はまだまだこれからって感じだよね。」


「まぁな、まだ25だし。付き合い長ければ考えるやつもいるかもしれないけどな。小泉は?そんなの考えたりするわけ?」


その言葉に冬馬くんの顔が頭に浮かんだけど、それと同時にズキンと胸に痛みが走った。
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