甘いあまいイチゴの香り
三人でリビングに戻ると、冬馬くんに手首を捕まれてソファーに座らされる。
この状況に頭が追い付かなくてそわそわとしていると、
私の隣に座った冬馬くんが私の手をぎゅっと握りしめた。
「桜、昨日こと一馬から聞いたけど……
あれは誤解だから。抱き締めたんじゃなくて、
菫が叩いてきたからそれを止めるために動きを封じたというか……何で言い合いしてたのかは内容は俺からは話せないんだけど……でも菫とは何もないから。
それだけは信じて??」
冬馬くんが真剣な表情は嘘をついているようには見えなくて、でもどことなく焦ったようなかんじもして、
私はコクりと頷いた。
「…………はぁ。で?その内容は話せないって、俺にも話せないわけ??」
椅子に座っている一馬くんがまだ怒ったような声で冬馬くんに詰め寄る。
「だからそれはさっきも言ったけど、俺からは話せないの。自分で、菫に聞けばいいだろっ!?
いつもいつも俺を巻き込むなよ!!」
「わかったよ。じゃあ、ここに菫を呼ぶ。」
そう言うと一馬くんはスマホを片手にもってリビングをでていった。
「桜、不安にさせてごめんな?
菫が一馬に話をしたら、全部解決するから。
何も話せないのに、こんなこと言われても気になるだけなのは分かるけど、、、」
「ううん、大丈夫。
冬馬くんは、本当に菫ちゃんと付き合ってるわけでじゃないの???」
「っはぁ!?んなわけねーだろっ!
菫が付き合ってるのは冬馬じゃなくて俺っ!」
いつの間にか戻ってきていた一馬くんの言葉に私は目を見開いてしまう。