甘いあまいイチゴの香り
……え!?
菫ちゃんと一馬くん????
知らなかった………
「そーゆうこと。菫の彼氏は一馬。
もうかなり長いよ?知らなかったのは桜だけ。」
「なんで!知ってたらずっと悩まなかったのに!!」
私は思わず冬馬くんの胸を叩く。
その私の手を握りながら、片方の手で髪を撫でる冬馬くんの目はとても甘くて吸い込まれそうになる。
「まぁ、離れてる期間もあったみたいだからな。
喧嘩のたびに巻き込まれてこっちはいい迷惑。」
はぁーと深いため息をつく冬馬くんに一馬くんがギロっと睨みつける。
「仕方ないだろ。あいつがおまえに相談するんだから。」
ピーンポーンーーー
ピーンポーンーーー
チャイムがなってインターホンを確認すると、焦った様な顔をした菫ちゃんが写っていて、私は玄関へと急いだ。
ガチャっと鍵を開けると同時に向こうから勢いよく開かれて思わず前につんのめってしまうと、
それを菫ちゃんが抱き止めてくれる。
「桜、ごめん!!私のせいで、なんか誤解してるって聞いてっっ!」
ぎゅーぎゅーと抱きしめてくるから苦しくて仕方ない。