君の本気に触れた時…
「理央…だからその顔、ヤバイって…。」

「ほぇっ?」

「ヨダレまでこぼれてきそうな発情期の犬みたい……。」


きっつぅ〜……


だけど確かにヤバい事になってた顔の筋肉を引き締めながら、聡子に確認するように見せると手でOKサインを出してくれた聡子。

あー、良かった…

万が一でも、そんな顔を先輩に見られた日には…もう立ち直れないし。

それから顔の筋肉を引き締めたまま先輩のいた所にもう一度視線を向けるともうそこに先輩はいなかった。

目線だけを横に移動させると、さっきよりも一段と距離が近くなってて歩いてこっちに向かって来る先輩とパチンと目が合った。


「おっ朝倉!!今日は何度もよく会うね。あっ、近藤さんも、こんばんは。」


王子様スマイルを惜しげもなく振りまきながら、先輩が私たちのテーブルのところで立ち止まった。

先輩の後ろから歩いて来ていた、男性も一緒に立ち止まり先輩に話しかける。


「西沢、この子達知り合い?」

「あぁ、商品部の子たちだよ。お前、見た事ない?」

「へぇ、俺あんまり商品部の子達知らないからなぁ。でもこんな可愛い子達がいたんだ。よろしくね、俺西沢と同期の松本です。」
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