君の本気に触れた時…
偶然初めて行った店で先輩に会って、成り行きで一緒に飲むことになって、そしてまた成り行きで家まで送ってもらっている。

いつもは長く感じる家までの道が、今日に限ってはすごく早かった。

家までの距離が縮んだんじゃないかと思うほど。


「先輩…今日はありがとうございました…」

「こっちこそ、楽しかったよ。ありがとう。明日も仕事だし、ゆっくり休んで。」


いつもよりももっと優しく見える先輩に…抱きつきたい衝動に駆られた。

ダメダメ…犬なら許されるけど私がしたらただの痴女になっちゃう。


「先輩…」


お休みなさいと言おうとしたその時、近づいてくる足音が聞こえてきた。

先輩が後ろを振り返ったその時、私の視界に入ってきたのは最近、近所に越してきた新入社員の彼だった。


「あっ、君…確か中城君だったよね?」

「ハイ…こんばんは。理央先輩も…。」

「あ、うん。こんばんは…」


別にやましい事は何もないのに、少しだけ冷ややかに見える彼の視線にたじろいでしまう。
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