君の本気に触れた時…
「家庭教師って…誰が、誰の?」


きっと間抜け面で間抜けな質問をしていたと思う…。


「理央さんが、僕の家庭教師をするんです。」


彼は至極当たり前のようにそう答えた。

お母さん…なぜあなたはそんな大事な事を言ってくれないのですか。

うちの母は割とウッカリさんで、そんな母に時々してやられる事があったけど、今回もまさにそんな母にしてやられた感で一杯だった。

私には正確に話が伝わっていなかったとしても、母と美子ちゃんの間ではもう交わされている約束だったし今更無理だとは言えなかった。


「とりあえず、今日から宜しくお願いします。理央先生。」


彼が私のために入れてくれたカフェオレを置きながら、そう言った。

彼から初めて呼ばれた、呼ばれなれない “ 先生 ” に何だかこそばゆい感じがした。
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