君の本気に触れた時…
「昨日はありがとうございました。」

「俺も楽しかったよ。朝倉の家と俺の家が近いのも分かったし、帰りは歩いて帰ったんだ。」

「え…そうなんですか?」

「うん、おかげでいい酔い覚ましにもなったしね。」


二人だけの時間は、ポーンという音と共にあっけなく終わりを迎えた。

先輩と一緒に営業部のフロアに入ると、さすが男性が圧倒的に多いこの部署は私たちの部署とは雰囲気も全く違っていた。

女性もいるにはいたけど…あまり数は多くなかった。


「あの窓の正面にいるメガネの人が榊原課長だから。」

「ありがとうございます。」


先輩にそう教えてもらい、無事に社内便を手渡すことができた。

先輩にも会えたし、有意義な休憩時間を過ごせた事に満足しながら営業部のフロアを後にして廊下に出ると、

そんな私を呼ぶ声が背中から聞こえた。
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