君の本気に触れた時…
先輩も気づいたであろう彼の事には何も触れられたくなかった。

彼を捉えた先輩の視線が、また私に向いたのが分かったけど、先輩の顔を見られなくて顔を俯かせた。


「彼に…見られたくなかった?」

「違います…」

「でもこの前、給湯室で…」

「え…」

「いや、何でもない…。そろそろ行こうか…」

給湯室で…の続きは…

先輩は何を言うつもりだったんだろう。

きっと先日の給湯室で中城くんと先輩が初めて会った時のことだろうけど、あのとき先輩が入って来る直前まで中城くんは私の事を先生と呼んでいた。

私たち二人が知り合いだと言うことはバレているかもしれない。

バレたところで、私たちの過去に生徒と先生という関係以上のことはなかったのだから別にやましくも何ともないんだけど。
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