クールな同期と熱愛はじめ
本当にやりきれない。父もきっと、天国でガッカリしているだろう。
「……って、ごめんね。変な話聞かせて」
笑い飛ばしてビールを飲む。
人に聞かせるようなことじゃないのに。
「カッコ悪くはない」
唐突に言われた言葉に彼を見ると、真っ直ぐな眼差しがそこにあった。
「……いや、宇佐美からそんな話を聞くまでは、確かにそれに近いことを思っていたかもしれない。いつも前しか見てなくて視野が狭いって。ひとりで焦って、馬鹿みたいに転んで」
“馬鹿みたい”は余計じゃないか。
「でも、今わかったよ。宇佐美がそうやってがむしゃらにやってきた訳が」
桜木くんは、ゆっくりと花が開くように優しく微笑んだ。
初めて見たような表情に鼓動のリズムが狂う。ゆっくり歩く速度だった脈が、早歩きに転じた。どう反応したらいいのかわからず、落ち着きなく目線を彷徨わせる。